佐藤静香写真展「むこうがわ」

2020年9月14日~9月21日

静香ちゃんは2019年天草市に地域おこし協力隊として赴任されました。
移住者の取材のためわたしたちを撮影してくれたことから親しくなり、本屋と活版印刷所の屋根裏が開店してからはよくよく遊びに来てくれます。

そんな静香ちゃんの、”風光明媚じゃない天草のフツウの日”の写真展。

搬入日、というのか写真展当日というのか、いつ設営が終わったのか私は知らない。(寝てしまったから)
猫のロクも手伝ってあげていたようです。

朝、起きて店内の様子を見に行く。いたるところに写真が。
店内の壁、本棚の中、お手洗いの中(これはお手洗いに入った人だけが気付ける)
写真たちが散歩しているような風景でした。

天草の、どの景色が好き?と聞かれると少し迷います。
例えば、私はお店の駐車場にある橙の木がとても好きなんです。
それからお店から見える大家さんの家の屋根。
でも、どの景色が好き?と聞かれれば、西海岸の夕陽、と答えるかな・・・
もちろん西海岸の夕陽は美しいですし西平椿公園も大変におすすめするのですが、
この答には多分に”かっこいい場所をあげるかっこいい自分”を意識している気がしなくもない。
あるいは”誰もが認める間違いのない場所をあげたい”というよくわからない欲求。

日常の自分を心安くしてくれる景色というのは
意外とすぐ近くにあるんじゃないかなと思います。
いつも通るお店のぼろぼろのテントだったり。
海へと続く名前のついていない畦道だったり。

そしてそんなふうに見つけてもらった景色は、写真におさめられてもうきうきと現れるんでしょう。
静香ちゃんの写真みたいに。
歩いてみたい、と何度も思わせてくれました。

お客様も、何人もの方がここはどこ?と静香ちゃんに尋ねていました。
ご自身のよく知る地域だったのにおさめられた場所は知らずにびっくりされた方も多かったようです。
早速行ってきたわ!というお言葉をいただくこともありました。
そして天草の昔の話を伺うことも出来ました。
それぞれの知る天草の話を聞きながら、その場所の名前が出るたび、
その場所全体がうきうきとしていたんじゃないかなと思います。

さて。DMにも使ってもらったこの写真は、わたしです。

撮影をしようというのではなく、たまたま出かけた御所浦で撮ってもらった写真。
この夏、水俣に少し滞在していて、水俣から御所浦に行ってみたいと思いました。
しかし水俣から御所浦までの連絡船は小さくて車は乗らないので、
足が欲しい・・・と思い、御所浦に行く前日、静香ちゃんに連絡をしてみました。
なんて気安い関係なんだろう(ありがとうございます)
天草の棚底からフェリーに車を乗せて旦那さんと来てくれました。
そうしてうろうろとした時の一枚です。

「むこうがわ」って聞くと、もう一方の自分、が浮かんできます。
天草の、御所浦の、むこうがわにある水俣。
私の日常にしたいと思う大切な場所です。
「むこうがわ」という写真展のタイトルはあとで知ったことですが、
因縁めいていて、面白いなあと思いました。

静香ちゃんと、旦那さんのとっちと。

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