「ご近所論」錦戸俊康写真展
2020年11月18日~11月25日
「同じ場所、同じ季節、同じ様な天気。毎年繰り返される同じような時間に飽き飽きし、また同じものを撮っていると思い込んでいた時期があった。だが、それは全くの別物で不変のものではないのだとある時に気づかされた。わざわざ遠くへ行かずともそこに暮らしている、ただそれだけでなにかを教えてくれる。この身近で平和なこの土地を、私はこれからも撮り続けるだろう。」(「ご近所論」より)
展示も回数を重ねてくると、次の展示のタイトルは何かを予想するようになります。絶対に当たらないと思いつつ、想像するときには必ず漢字二文字で考えます。「点滅」「当然」「図鑑」ときているのだから。そしたら「ご近所論」でした。かっこいい。
実家は選べないけど、独立して家を探すときには周辺環境を当然気にするものです。
便利さというだけじゃなく、好きなお店があったら、好きな道があったら、好きな景色があったら、なおよい。
住んでしまえばそれはすぐに日常になって、”近所”は視界に入らなくなる。
毎日見ているというほどにも見ていないのに、近所はつまらないものになっていく。
そしてそれが実家である場合には「自分で選んだわけではない」という気持ちが重なってますますつまらないものに見えてきます。
でもそれは見ていないから、つまらないのだろうな。
錦戸さんの写真を定期的に見る機会ができたことでそう思うようになりました。
地味かもしれないけれど、いつも我々は地味なものに大きく救われているのだと思います。
富山の山間の村で育った私、帰りたくなりました。
それにしても錦戸さんの展示のDMは毎回素敵です!
※錦戸俊康さんのnote
写真展「ご近所論」を終えて